「放送のお仕事をやってみたい!」とお考えの方向けに、放送のお仕事って何?をテーマにしたコラムの5回目、今回は視聴率について少しみていきましょう。
皆さんも視聴率という言葉を、よく耳にしたり見かけたりされますよね?も
この「視聴率」ですが、テレビ局の人間は視聴率に一喜一憂するという話も聞かれたことがあるのではないでしょうか?
では視聴率っていったい何でしょうか?
あるテレビ番組が、その地区のテレビ所有世帯のうち何パーセントの人に視聴されたかを示す「推定値」であると定義されています。また視聴率には、個人視聴率と世帯視聴率があります。一般的には世帯視聴率を視聴率と呼んでいる場合が多いです。新聞やネットニュースなどでよくみかける視聴率は世帯視聴率ですね。
その視聴率ってどのようにしてわかるのでしょうか。
関東地区の場合を例にみてみましょう。
関東1都6県の900世帯をサンプル世帯にして算出されます。たった900?と思われた方も多いのではないでしょうか。
視聴率調査は世論調査と同じ仕組ですので、統計上の誤差はありますが調査方法としては一般的なものです。
関東以外でも、近畿、中京、北海道、宮城県、福島、新潟、静岡、岡山・香川、広島、福岡でもサンプル数や収集データに若干の違いはありますが、調査が行われています。
世帯視聴率と個人視聴率は何が違うのでしょうか。
世帯視聴率は、対象世帯の中で何世帯がある番組を観ていたかが数字になります。例えば200世帯の中で100世帯が観ていれば、視聴率は50%となります。
個人視聴率は、対象世帯の中で何人の人が同じ番組を観ていたかが数字になります。例えば同じ200世帯に500人が住んでいて、その中で150人が観ていれば、視聴率は30%となります。
まだまだ世帯視聴率で語られることが多いのですが、去年くらいから個人視聴率で数字をみようというふうになり始めています。
視聴率調査では、毎分視聴率という言葉も耳にすることがあります。皆さんは「瞬間最大視聴率」という言葉を聞かれたことがあるかと思いますが、その基になる視聴率です。
1分ごとに視聴率を算出したものです。どのコーナーが一番よく観られたか、どの出演者が登場しているときに視聴率が上がったかなどがわかります。もちろんCM中も視聴率が出ます。どこにCMを入れるかなどの検討材料にもなります。
視聴率のニュースでは、「ゴールデン」、「プライム」、「全日」という単語もよく目にされませんか?
ゴールデンタイムは、19時~22時の視聴率を指します。プライムは、19時~23時の視聴率を指します。
かなりの時間がダブっているようですが、帰宅時間が遅くなる傾向にある現在、ゴールデンとプライムでトップの放送局が変わったりもします。
全日は、6時~24時までの視聴率を指しています。
よく「三冠王達成!」というニュースがありますが、このゴールデンタイム、プライムタイム、全日すべてでトップだったということです。
視聴率はどのようにして収集されているのでしょうか。
現在、日本で視聴率を調査している会社はビデオリサーチ(VR)のみです。かつてはニールセンという企業も視聴率調査を日本で行っていましたが、今はVRが、サンプル世帯に設置した測定器にたまった1日分の視聴データを電話回線で翌日早朝に収集し、データ化しています。
視聴率はこれから個人視聴率が中心になっていくのではないかと言われています。
みなさんが放送のお仕事に就かれた場合、会議などで視聴率が話題になることもあるかと思います。
次回からは、話題を変えて、放送の歴史を振り返っていきます。